2009年4月15日水曜日

狩猟民族と農耕民族 その2

「狩猟民族と農耕民族 その1」はこちら→ http://ucla-2009.blogspot.com/2009/04/1.html

ここで狩猟と農耕に必要なことを書く。
個人的に実家が畑をやっているので
農耕に必要なことはそれなりにわかる。

農耕というものは
植物を天気や植物の成長度合いにあわせて育てていくものです。

その際に必要となることは、
今までの経験則や周りの農作名人に教えをこうことで、
より良い作物を収穫するためのデータベースを構築することです。

植物は動きませんし問題があっても
一刻を争うということはほとんどありませんので、
より確実な対応をする必要があります。
ただし、植物は手遅れになると回復することが難しいので、
時間よりも正確な対応を求められます。

また、植物の成長は長期間にわたるため、
時々刻々とパラメータの種類も度合いも変化してしまいますし、
それぞれの個体差があってひとつの正しい答えというものがあるのかわからないため
さらに複雑になっています。

そのため経験に基づくデータベースが適しています。

もちろん、ある程度、論理的に考えることもできないことはないんでしょうが、
考えなければならない問題(パラメータ)が沢山ありすぎて
正確な判断をすることは難しいです。

おそらく、子供を育てる感じなのではないでしょうか。
(子育て経験なしですが・・・)

一方、狩猟というものは
相手の行動を計算して相手の逃げ道を少なくしてしとめるものです。

その際に必要となるのは、
目標物を発見する→目標物のしとめ方を考える→目標物の逃げ道を考える→・・・
という具合に、論理的に目標物をしとめる可能性を高める思考が必要となります。

狩猟の相手は動物であり、
一瞬一瞬が勝負であるということを考えると
相手の行動を論理的に推測して先回りして行動することで
仮に相手が推測と異なる行動をしたとしても、
再びそこから論理的に推測することで
相手の行動に即座に対応できます。

これに農耕で有効なデータベースによる対応をすると
正確な判断をするために最適情報を探しているうちに
動物は動いてしまい条件が変わります。
すると、再び条件を変えて最適情報を探すことになり、
そのうち動物は逃げていってしまいます。

また、データベースにない状況に遭遇すると
対応することができず、
窮鼠猫をかむという予想もつかない状況では役に立ちません。

そのため、状況状況に応じて短時間で答えを出せる論理的思考が適しています。

もちろん、目標物を発見するまでにデータベースに頼ることもありますし、
狩猟の経験というものは大きく影響するとは思いますが、
狩猟の最中にデータベースに基づいた狩猟というのは合理的ではありません。

おそらく、スポーツのような感じではないでしょうか。
(スポーツも最近していませんが。)

こう考えると、
農耕民族はデータベース思考に慣れ親しんでおり、
狩猟民族は論理的思考に慣れ親しんでいるといえるんではないでしょうか。

つづく

2 件のコメント:

Moemoe さんのコメント...

たしかに狩猟と農耕では、必要とされる能力は違うものになりそうですね。そして狩猟的なビジネスと、農耕的なビジネスもありそうです。

ところで、どこからが狩猟民族で、どこからが農耕民族になるんでしょうね。

ittadao さんのコメント...

> MOEMOEさん
そうですね、それぞれの能力が違うからそれぞれ最適なものが違うと思います。ということは、どちらが要求される時代かということも重要になってくるかと。
僕のフィーリングでは、経済がかなりがたついた今は、農耕的な能力が必要な気がします。狩猟が農耕を押さえつけると、ちょっと問題が大きくなるかもしれません。