2009年5月11日月曜日

悪循環

今UCLAでお世話になっている研究室は材料系で
CVDがとっても重要な装置になります。
新しい材料を成膜するときには必ずCVDを使います。

といっても、僕はCVDを使っていないのですが、
今D3の学生が自力で作製したCVDが壊れたところから
事件は起こりました。

このCVDはその学生が管理していたのですが、
周囲の研究室の学生も使いたいということで
学科で一番ペーペーであることもあって、
うちの教授は好意でCVDを一般に公開していました。
そんなCVDが壊れたので、
教授は周りの研究室に修理代を少し出してほしいということをお願いしたのですが、
どの研究室からも返事がありません。

そこでさすがにうちの教授も怒った。

誰かが修理費を出すまで
修理はしないと言い出したのです。

どうやら、その背景には今うちの研究室の台所事情が
火の車で修理費にお金を使いたくないというのがあるようです。

台所事情が苦しい理由は
今研究が悪循環に入っているからです。
世界でまだ開発していない装置を開発して
一気に飛躍しようというのが目的だったのですが、
その装置を作れるといった会社が約束の期限を過ぎて
しかも2年たってもその装置を使える状態にしてくれないのです。
(実はLAで納期が遅れることなんてしょっちゅうのようです。)

その装置にかなりの金額を投入していた教授としては
装置が動かなければ、結果もでないということになります。
これはありえない状況ということで
どうにか会社の人をプッシュしているのですが、
どうもうまくいかないという状況が続いているようです。

2年も期限が遅れると余裕を持って研究計画を立てていても
さすがに出るはずの結果がないために
次の研究予算を取るのが難しくなるわけです。

そして、次はうちの研究室の生命線であるCVDが壊れた。
台所事情も苦しい。
助けてあげた人たちが誰も援助してくれない。

うーん、この状況はすごく苦しいですね。

そんなこんなで、今週末はD3の学生と教授が週末出勤で
ガラクタから新しいCVDを周りに秘密で立ち上げています。
もう、見た目はかまっていられないということなんでしょう。
優秀で他の研究室の学生からも良い評判しか聞かない教授なので
この困難を何とか乗り切ってほしいと思います。

できることがあれば、応援しようとは思います。

P.S.
という中、加熱ホルダを壊してしまったようです。
別に普通の使い方をしていたのに、急に電流が流れなくなりました。
うーん、困った。

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