2009年4月28日火曜日

大学発ベンチャー

少し前に日本から西海岸の大学の視察に来ていた人と話したり
一緒にUCLAのえらいさんの話を聞いたりした。

UCLAのえらいさんの話は、
UCLAに最近できた研究施設の話だったのですが、
その成り立ち、お金の集め方、アウトプットの仕方などなどでした。
まぁ、経営側のお話というやつです。

で、最近UCLAもベンチャー企業を排出しようという流れがあるらしく、
いくつかうまくいっているベンチャー企業もあるようです。

例えば、注射に関するベンチャー企業があります。。
注射で体に入れる薬って糖とかたんぱく質といった有機系物質であることが多いです。
それに対して、体の中は水と同じイオン性の液体で満たされています。

有機系物質は油に溶けますが、
イオン性の液体の中ではかたまってしまうんですね。
そうすると、薬が体の中で満遍なく分散せず、
塊の状態になってしまうわけです。

これでは薬の効き目が少ないということで、
薬の中に金属ナノ粒子を導入することで体の中でうまく分散するようにしたというものです。
これだけで、薬の効き目が飛躍的に向上したというからすごいことです。

この方法を売りにして、世界中の注射にインパクトを与えたというベンチャー企業です。

いろいろあるようですが、
まだまだその数はスタンフォードやUCBに比べると小さいとのことでした。

それを聞いていて、僕はアメリカにはエンジェルがいるからうまくいくんだろうって思って
大学発ベンチャー企業のお金の集め方についてえらいさんに聞いてみました。

すると、アメリカではエンジェルに限らずいろんなところに資金援助する人や団体があるようです。
それよりも面白かったのは、アメリカでのベンチャー企業への投資の仕方です。

アメリカでは将来うまくいくかもしれないモデルにはとりあえず全部お金を入れるというのです。
結局どれがうまくいくかなんて誰にもわからないんだから、
そのうち10%が生き残って大きなビジネスに化ければ、それでいいとのことです。
だから、そのような可能性を持つ芽(研究)を持つ大学に
企業はすすんでお金を入れてくれるとのことでした。

こういう考え方にハイリスクハイリターンの投資ができるという精神があるんでしょうね。

あと、寄付は人の名誉のため名前をつけれることにしたら
寄付は一気に増えるといっていました。
そういう点では、UCLAはUCBに比べてやり方が下手らしい。
僕はUCBにいったことがないのでわからないけど。

で、えらいさんは、
「寄付を増やすには、お金を持っている人にそんなにお金をもってどうするの
 死んだら子供にあげてもあまるでしょ。
 それなら、役に立つことにお金を使って、さらに自分の名前世界に残そうよ。」
といえばいいよと教えてくれた。

日本ではありえないですよね。

というわけで、
UCLAからは年間15社くらいのベンチャー企業ができて、
そのうち10%が大きく成長しているようだ。

そして、その大きく成長した企業からUCLAは寄付を受けるという循環を
作り上げているところのようです。

日本では大学発ベンチャーはどんどん下火になっているような気がします。
一過性の流行で政策を決めるのはやめないといけないと思います。

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